火造りと言う昔ながらのアイアンの製法があります。今から紹介したいと思います。


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■火造りとは?
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火造りと言う言葉は、全く聞き覚えのない言葉だと思いますが、アイアン造りのうえで“火造り”という昔ながらの製造法があるのです


今でこそ精密金型の進歩で、軟鉄鍛造という製造法が一般的になっていますが、以前は、精密金型による製造法がありませんでした。 そこで、丸棒を炉で焼いて、叩いてある程度の形にしていました。もちろんネックもついていません、ただ丸棒が板状に変わっただけのものでした。それを職人が再び焼いて叩いて曲げてアイアンの形にしていくのです。

精密金型による軟鉄鍛造法では全く同じものを大量につくることができます。 しかし、昔ながらの火造り製法では一般的な鍛造法ではできないものができます。そこで、火造りという昔ながらの製造法があるということと、火造りの技術を受け継ぐものとしてここにご紹介したいと思います。

■丸棒
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一番もとになる鉄棒です。 一般的には25Cという材料を使用しますが、当社は、20Cを使用しています。

■炉
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20Cの丸棒を、溶ける寸前まで約1200度ぐらいまで炉の中で熱します。

■鍛造
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溶ける寸前まで熱した丸棒を、エアーハンマーにて鍛造します。 このときにまるで餅をこねるように、丸棒をたたきます。 そして荒型の中に何回も何回も叩き込みます。

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荒型に叩き込んだ状態です。丸棒が板状に変わっただけの状態です。 もちろんネックも付いていません。ロフトもライ角も付いていません。

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鍛造品の余計なバリを取り除いて後、ネックになる部分を中心に熱します。 このときに熱し方が弱いと曲りませんし、熱し方が強いと溶けてしまいます。最適な温度があります。 それは鉄の色でわかります。

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鍛造品のネック部分が溶ける寸前まで熱したものを、縦バイスにネックの形状を考えながら挟み込みます。 そして、ハンマーで出来上がりを考えながら叩いてネックをつけていきます。 出来上がりがグースネックか、ストレートネックかによって、またロフト角の大きさによっても叩き方がちがいます。 職人の腕のみせどころです。

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縦バイスに挟み込んでネックをつけたあと、ソールとネックとのつながり、ネックのゆがみ、ホーゼル部分のゆがみなど、眼で確認しながら調整していきます。

■再調整
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最終調整したものを、冷めた後、大まかな形に研磨します。 そしてホーゼル部分に穴をあけ、再度焼きます。 ロフト角・ライ角・グースなど確認、調整します。 これで、1個の元型ができあがりました。 そして製作したい型に研磨し、重量調整し、フェースラインをプレスします。 以前プレス機がなかった時代は手でハンマーで叩いてラインをいれていました。 フェースラインをいれたものを、鍛造品のときと同じように測定器でロフト角、ライ角、FPなど調整確認し、研磨にはいります。

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焼き戻しという作業があります。火造りをすると、どうしても鉄の密度にばらつきができます。 そこで仕上げをする前にもう一度焼きます。 これは真っ赤に焼くのではなく最適な温度まで焼きます。鉄の色を見ればわかります。 そして、稲わらの灰の中に一昼夜から二昼夜寝かせます。 こうすることによって、鉄の密度が均一になり、軟らかくなります。鉄は、叩けばたたくほどに密度がつまってかたくなります。焼き戻しは鉄の密度をちょうどよい状態にします。 ※この作業が一番大切で、重要です。